銀行員を辞める決め手になった5つの理由

2016.11.26


私は運用(投資信託や保険の販売)担当をしていたので、営業という立場から書いております。

これ、訴えられないかな…
 
 
 

1.非効率な営業

銀行は基本的にカレンダー通りの平日営業です。なのでもちろん営業担当は平日に営業活動を行います。

しかし、その対象の多くは平日働いているサラリーマン。働いている人の家に必死に電話をしたり手紙を書いたりしてアポイントを取ろうとしているのです。
大抵、家にいらっしゃるのは決定権のない奥さま方か、時間を持て余したご老人。

「主人に伝えておきます~」

という何の根拠もない返答を自分なりに解釈して、

上司には「奥さまがご主人を説得してくださるそうです!!」

ときっちり報告して次のお客さんのところへ向かいます。

 
月に1回の休日相談会でやっとの思いで会えたとしても、そこで成果になるかはまた別の話。そんな状況にありながら、「定時からが営業のゴールデンタイムだぁ~」などと意味不明な発言を合言葉に、その営業スタイルに疑問を感じることなく日々走り回っているのです。

お客さんの身になって考えてみてください。疲れて仕事から帰ってきたタイミングで銀行から営業の電話がかかってきてまともに相手をしますか?

明らかにビジネスとして欠陥があるのです。
 
 
 

2.効率のいい高齢者をメインターゲットにする

かなり不謹慎な言い回しになってしまいましたが、高齢者は営業担当にとっては本当にいいお客さんなのです。なぜなら

お金がある

時間がある

家にいる

話し相手を欲している

細かいこと気にしない

営業してくださいと言わんばかりの好条件がそろってしまっているのです。

その結果どうなるかというと、高齢者のお金をぐるぐる回して収益を上げる。
それが営業担当者としては賢いのです。クレームにさえならなければ。
 
 
 

3.最終的には銀行が守られる仕組みになっている

銀行で何か契約したことはありますか?

例えば今持っている投資信託を売って別の投資信託を買おうとしたとき

解約申込書(この投資信託をこれだけ売りますよー)

乗換に関する確認書(これからこれに乗り換えるんですよー)

比較説明書(解約するものと、購入するものはここが違うんですよー)

重要事項説明書(買おうとしてるのはこういう中身ですよー)

購入申込書(この投資信託をこれだけ買いますよー)

これだけの書類に署名することになります。ここではざっくりしか説明してませんが、それぞれの書類には文字がぎっしり書いてあります。そこに署名をしているということは、「確かに説明を受けました」という意志を表明するということです。

あとで何を言っても署名した控えも渡しているし、銀行としては「お勧めしたのは確かに銀行ですが、最終的に取引に納得されて決断したのはお客さまでしょ。」という立場を取れるわけです。

まぁ商売なんてこういうものと言ってしまえばそれでおしまいですが。
 
 
 

4.商品が複雑すぎて理解している人がほとんどいない

ウソのようでホントの話。

銀行で扱う書類というのは本当にびっしり文字が書かれています。今どき銀行に限らずどこでもそうかもしれませんが。

お客さんに見せて説明する商品パンフレットも例外ではありません。運用商品、ローン商品等の書類の中身は凄まじいです。

なるべく読みたくならないような固い固い文章で、文字の最低の大きさは決められているので印象の悪いところが目立たないように文章量をとにかく多くして、つらつらと書かれています。

これらの中身を銀行員が熟読して理解しているかというと、そんなわけありません。そんな物好きおりません。

「とりあえずここを説明しておけばクレームにはならないだろう」という基準でポイントをおさえて説明しているのです。

そんな状態でなんとか「うまく」やっている人がほとんどです。それが当たり前でした。
 
 
 

5.イキイキしてる人がいない

「こんな情弱(情報弱者)を相手にした仕事いつまで続くんだろう」とみんな内心思っています。というかしょっちゅう口に出てます。

ネットが普及して様々なサービスが生まれるなか、消費者もどんどん賢くなってきているので営業としてはかなり辛い時代になりました。もちろん自分たちも同じように賢くなってきているので、「あれ?うちの商品ぼったくりじゃね?」と薄々、というかはっきり気付いています。

自分で使いたいと思えないサービスを売り続ける人たちとは一緒に働けないでしょう。

 
 
 

今日のまとめ的な

※この記事の内容は全てフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 
 
 
 
保身を徹底するのは銀行員の常識です。