公開日:2016.12.15
最終更新日時:2018.7.4

平成16年に書かれた「『平成三十年』への警告」を今読んでみた


予想小説「平成三十年」を平成14年に書いた堺屋太一が、

その2年後の平成16年に、改めて平成三十年がどのような状態になっているのかについて書いた本。

 

ざっくり言うと、人口問題と、歴史は繰り返すという観点から「平成三十年はラストチャンス」と警告するという内容。

 

平成30年の今、改めて読んでみておもしろかったところをピックアップしてご紹介。
 
 

地縁社会と職縁社会

全体的な感想としては

日本は10年前と全然変わってない。

当時懸念されていたことがそのまま懸念材料として残っているし、特に解決されそうな動きもまだありません。

 

例えばこの内容。

 

1955年以降になると、終身雇用と年功賃金が一般化し、大企業や官庁のサラリーマンこそ安定した有利な職業と信じられるようになった。

その上、年功賃金と退職金制度で永年勤続ほど有利に扱われるようにもなった。

そうなると、だれしも自分の属する職場が拡大し、自らの将来が有利になることを願う。企業はシェア拡大競争に走り、共同体の仲間ではない株主のことなど考えない。

 

…(中略)従業員の評価は、業績よりも仲間への貢献で決まる。

 

この結果、サラリーマンの勤務時間は長くなり、住居は寝るだけの場所、家族は消費を共にするだけの存在となった。

 

居住する地域への関心も、親類への興味も失われた。日本人の大部分が会社人間、職場人間という完璧な職縁社会ができあがった。

 

まさに日本の現状について書かれているじゃないですか。

 

さらに、永年勤続と年功賃金も怪しくなってくるとサラリーマンは再び会社以外に居場所を求めるようになるということも書かれてあります。

SNSなんかがそうですよね。

 

昔は「地縁社会」、つまり地域間コミュニティーが盛んな社会だったので、地域にコミュニティーを求めればそこに居場所ができたのですが、今はそういう文化も薄れてきています。

その代わりに、職場にコミュニティーを求めるようになった。

 

そして今はそれも薄くなり、インターネットを利用してさまざまなコミュニティーを築くようになりました。

 

コミュニティーが人生を切り開く

このようなコミュニティーは今後非常に重要な要素となるでしょう。

それについて著者はこのように書いています。

 

”テーマのある人生を“

現在のところ、テーマ・コミュニティーはごく淡い存在でしかない。これに加わっている人々にとっても、たいていは「ちょっとした楽しみ」程度だ。

日本では今でも職縁共同体が圧倒的で、趣味や関心事にうつつを抜かしていたのでは、変人扱いされてしまう。

(中略)

戦後の日本人は、職縁共同体での生き方を学んだ。

受験勉強も単身赴任も、そのための手段だ。

 

テーマ・コミュニティーが盛んになる未来を上手に生きる方法、それは、自らの人生そのものにテーマを持つことだ。

ただの趣味や興味ではない。「これができればわが人生は成功」と喜べるほどの強烈な関心事を、である。

 

まさに注目されている「好きを仕事に」という風潮のことですよね。

やらされてやるのではなく、やりたいからやる。

それが成功に必要な何よりの要素だというわけです。
 

起業家が社会を変えていく

著者は起業の成功について、以下の7つの要素をあげています。

①好きな道

②鋭い感性

③劇的なひらめき

④激しい憤り

⑤強い自信

⑥事業化の実力

⑦幸運

 

特に①好きな道についてと④激しい憤りについてはなるほど、とうなずかされました。

経済経営に限らず、人間が成功する第一の要件は「好きな道」を進むことだ。

たいていの人は、将来の道を選ぶとき、有利な分野に入ろうとする。しかし、これは人生を誤りやすい方法だ。

一つの職場環境が三十年間有利であり続けたことはないからである。

(中略)

成功した起業家は有利よりも好きな道を選んだ人々だ。好きだからこそ、その分野では感性が鋭い。

普通の人は気にも留めない現象に鋭敏に反応し、だれも思いつかなかった劇的なひらめきを得る。

(中略)

しかし、それで終わってはただのアイデアマン、何より大切なのは、これを実業にせねばならないという激しい憤りである。

 

平成三十年がラストチャンス、なのかはわかりませんが、やはり今までの常識にとらわれずに「興味」や「好き」、「感動」といった右脳的な要素が今後重要になってきそうです。
 
 



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