銀行員が資本主義についてわかりやすく解説
私が住んでいる日本という国は、資本主義の上で成り立っています。
まずは、資本主義について比較的わかりやすく説明されていた一文をご紹介。
生産手段を資本として私有する資本家が、自己の労働力以外に売るものを持たない労働者から労働力を商品として買い、それを上回る価値を持つ商品を生産して利潤を得る経済構造。
デジタル大辞泉より
わかったようなわかならいような。
資本主義社会とは、資本(お金)があるところに資本が集まってくる社会です。
逆に言うと、資本がないところには資本は集まってこない仕組みになっています。
つまり、
お金持ち→お金が集まってくる→労働しなくてよい(労働力をお金で買える)
というのが資本家で、
お金がない→労働力を売ってお金を稼がなくてはいけない
というのが労働者
この二種類で成り立っている社会ですよ、ってことです。
資本家の家で生まれるか、労働者の家で生まれるかというスタートの違い
私を含めて、おそらくほとんどの人は労働者の家で生まれているでしょう。言葉は少し悪いですが。
労働者の家には、(労働力を売ることによって得るもの以外の)資本がありません。
ということは、その家で生まれた子どもも必然的に、働いてお金を稼がないといけません。
言い換えると、資本家に労働力を売ることによってお金を得ないと生きていけません。
まずはこの構図をしっかりと認識しておく必要があります。
資本家より労働者が稼ぐことはありえない
資本家によって雇われた労働者が稼いだ売上よりも多い金額が、労働者への給料として払われるということはありえません。
ですので、資本家と労働者が逆転するということは、特別何か事件でもない限りありません。
労働者が資本家になるタイミング
労働者は資本家にはなり得ない。
というようなことを書きましたが、それはあくまでも、「労働によって得るお金」だけでは不可能という意味です。
労働以外のもの。例えば、投資。
労働力を売ることによって得たお金の一部で株を買うとします。
すると、企業の一部を所有することになるので、その企業で働く労働者が稼いだ売上の一部を“労働なしに”受け取ることができます。
印税なんかもそうです。
歌や本などの、「労働力」以外の人が欲しがる価値を生み出すことができれば、あとはそのものが創出者にお金を集めてくれます。
このように、労働力以外でお金を手にすることができたときが、資本家になれるタイミングなのです。
資本家と労働者の優劣
どちらが偉いか、という話をしても仕方ありませんが、資本家のほうが自由であることは確かです。
労働者は労働力を売ることによってしかお金を得ることができないので、労働を嫌でもしなくてはいけません。
それに対して資本家は、労働をしたければすればいいし、したくなければしなくていいのです。
資本家は時間的にも自由
労働者は生活のために、やりたいことよりも優先して労働をしなくてはいけない時間があります。
資本家には、それがありません。
それだけで単純に資本家の持っている時間は労働者の持っている時間よりも長い。と言えます。
労働者は資本家に労働力≒時間を売っているからです。
労働者の家に生まれたとしても、資本家を目指すべき
これまでの話で考えると、 資本主義社会で生きていくのであれば、資本家になろうとしたほうがよさそうです。
しかし、現実はほとんどの人が資本家になろうとせず、労働者に甘んじて一生を過ごします。
なぜでしょうか?
労働者は考えなくてもなれるから、楽である
資本主義社会は、労働者が存在していなければ成り立ちません。
ですので、日本社会では労働者になるのが1番簡単なようにできています。
学校は当然のように
「将来何の仕事をするか」=「どの労働者になるか」
という教育を行っていますし、税制も労働者が1番何も考えなくてもよいような仕組みになっています。
楽な方、人の多い方を選んでしまうのは仕方ありませんよね。
労働以外の価値の生み出し方を知らない
学校で教えてくれませんからね。
親だって労働者なので当然教えてくれません。
教わっていないこと=危険
と考えてしまうので、
「労働以外でお金を稼ごうなんてあやしい。危険だ。だまされている。」
と、資本家になる道を自ら閉ざしてしまっているのです。
労働者は、忙しい
とにかく、忙しい。
旅行になんて行こうもんなら、1ヶ月以上前、場合によっては半年以上前から日程を調整して、周りに気を遣いながら、針に糸を通すようなスケジュール管理をして出発するという有様。
こんな状況で「資本家になろう」などという考えに至るわけがありません。
こういう理由で、大半が労働者として一生を過ごすことになるのです。
最近は、モノよりもコトに価値を感じる人が多くなりました。
今までにないめずらしいことや、感動する体験に人とお金が集まります。
そういう価値を提供することが、今の時代での資本家への道なのかもしれません。
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