暖房は窓の性能で決まる。断熱窓の性能・価格を調べてみた。
今までは暖房器具にばかり目を向けていましたが、家から出ていく熱の約半分は窓からという事実を受けて、まず窓についてしっかり考えようと思い立ちました。
普通の窓の性能とは?
普通の窓というのは、アルミ製のサッシに一枚のガラスがはめ込まれているあれです。
うちの実家も、大阪で住んでいたマンションも、もちろん購入した空き家もそれでした。
「日本の家の寒さは窓のせい」と言っても過言ではありません。
アメリカではこの窓、エネルギーコスト増大の原因になるとして使用禁止になっている州もあるそうです。
それほど性能の低い窓が、日本ではスタンダードなのです。この罪は重い。
では、この普通の窓は断熱という点において、どれほどの性能があるのでしょうか。
「熱貫流率」という、熱の伝わりやすさを示す数値で見てみましょう。
ちなみに、この数値は小さいほど断熱性が高いということになります。
単板ガラスの熱貫流率は、6W/(㎡・K)。
この数値は、トタンと同じぐらいなんだそうです。そりゃ寒いわ。 ただのコンクリートの壁でも3.5~4.0ぐらいあります。
断熱窓の性能は?
一口に断熱窓と言っても種類がいろいろありますので、ひとつずつ見ていきましょう。
複層ガラス
ガラスが二重になっているタイプの窓。 これの熱貫流率は、3W/(㎡・K)。
Low-E(低放射)複層ガラス
熱を通しにくい加工がされたガラスを使用しているタイプ。 ガラスとガラスの間が普通の空気のもので、2.5W/(㎡・K)。
普通の空気じゃなく、アルゴンガスと呼ばれるガスが充填されているものになると、2W/(㎡・K)。
そして、ガスでもなく真空になっているものだと、1.4W/(㎡・K)にまで下がります。
サッシについて
いくらガラスの性能が高くても、サッシがただのアルミでは家の中の熱はアルミを伝わってどんどん外へ出て行ってしまいます。 そこで、断熱窓の多くで採用されているのは、樹脂サッシ。 樹脂の特徴は、その「熱伝導率」の低さ。熱を伝えやすいアルミに比べ、熱伝導率が1000分の1という優れた断熱性を持っています。 このサッシと複層ガラスが合わさってやっと、家の断熱が保たれるのです。
スペーサーについて
聞きなれない言葉ですが、これは窓のガラスとガラスをつなぐ部分のことで、窓の断熱性をさらに高めるには必ずチェックしておくべきところなのです。 非常にわかりやすい画像がありましたので、YKK AP株式会社のサイトより転載。
表面温度が3℃も違うとなると大きいですよね。せっかく断熱窓にするならここもしっかりおさえておきましょう。
断熱窓の価格は?
もちろんその性能にもよりますが、安くても5万円(2枚1組)。高い。 実際の施工事例をざっと調べると、工事費も含めて家全体で50万円以上かかるのが普通のようです。 その快適さと冷暖房費用の削減により、長い目で見ればそんなに高くないのかもしれませんが、即決するには難しい金額ですよね…。
「内窓」という選択
窓部分の断熱には、窓を断熱窓に交換するという方法以外に、内窓を設置するという方法もあります。
これについては、別記事にて改めて。言ってる間にもう春ですが…。
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