自家採種が原則禁止へ?結局何が良くて何がいけないのかを簡単に解説します。
「種苗の自家増殖、原則禁止へ法改正」というニュースがかなり騒がれております。
来たね「種苗の自家増殖原則禁止」
本日の日本農業新聞 pic.twitter.com/PdlBUnzMym— fumi. (@MinamiYoshifumi) 2018年5月15日
結局、何がいけなくて何がいいのかをできるだけわかりやすく解説します。
ニュースの内容
まず何が起こっているのかを整理しておきましょう。
- 自分の経営内でも「農家が自家増殖できない品目」を従来の82種類から3倍以上の289種類に一気に増やした。
- トマト、ナス、 ダイコン、ニンジン、キャベツなどの身近な作物も含まれている。
- 農林水産省は今後もその品目を随時拡大していくとしている。
禁止リストはこちら。
(現代農業 2018.4より)
自家採種を禁止する理由は?
大きくは以下の2点です。
①品種ブランドの維持
自家採種を自由にしてしまうと、その過程で他の品種と混ざったりして、もともとの品種特性が失われてブランドを傷つけてしまう危険性がある。
②海外への品種流出を防ぐ
品種管理を徹底的にしておかないと、せっかく日本で生まれた優れた品種が海外へ不正に持ち出されてしまう危険性がある。
結局、何が良くて何がいけないの?
種苗会社が種苗法で品種登録したものについての話なので、
それ以外のものについてはこれまで通り、自分の経営内で自家採種して次の作付けに使用することは問題ありません。
(その種を売るのはこれまでも禁止されています。)
(現代農業 2018.4より)※一部に下線加工をしています
つまり、今回の転換によって影響を受ける可能性があるのは、
品種登録されている作物から種を採ったり、挿し木や挿し芽をして経営している農家、家庭菜園を楽しんでいる人
ということです。
ただ、実際は品種登録されているものから種を採る農家なんていないだろうし(F1種だから。過去記事参照。)、
家庭菜園を楽しんでいる人が急に取り締まられることなんて考えにくい(ダメだけどね)ので、騒がれているほど影響はないのかな、とも思います。
今後、この禁止リストがどのように増えていくのかが一つの注目すべきところになりそうです。
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