公開日:2019.5.26
最終更新日時:2019.5.26

地方での水力発電×蓄電の可能性【自治体水力発電】


山間地の多くの過疎の自治体は、主要な産業もなく、「ないない尽くし」の厳しい現実に直面している。

「何もないから何もできない」と、あきらめムードが先行しているが、一部には恵まれた森と水を再評価し、環境にやさしいまちづくりに挑戦するケースも出てきている。西粟倉村と佐那河内村はともにこれといった産業がなく、深刻な人口減少や高齢化と向き合っている。かつては企業誘致などに奔走したこともあるが、地元には若手労働力が不足し、思うような成果は上がらなかった。

両村は「外部からの他力本願では村の存続基盤を確保できない」(西粟倉村)として、足元にある森や河川、豊かな自然資源を見直し、エネルギーの「自給自足」、農林資源の6次産業化の動きを強めている。

引用元:過疎自治体が注目「小水力発電」課題は初期投資の低コスト化【山陽新聞】

 

これはおそらく全国の過疎地域に当てはまるはずだ。

そしてその「エネルギーの自給自足」が「水力発電」で可能であるということも。

 

 

今まで水力発電が普及してこなかった理由

水力発電がいかに優れているかということは以前に記事で書いた。

 

しかし、未だに地域を元気にするための水力発電、という事例はなかなか出てこない。

理由はいくつかあったようだ。

 

河川管理者の許可を得るのが困難だった

河川の流水を利用する水利利用では、河川法に基づいて河川管理者の許可を得るのが基本。

しかし、実際には申請しても許可を取ることはほぼ不可能だったため、せっかくの小水力発電も普及が進まなかったという。

 

しかしこの問題は、2013年に河川法が改正されたことで、許可制から簡素な登録制に変更されたため現在は大きく改善されている。

 

 

太陽光発電による電線の容量オーバー

同じ再生可能エネルギーでも太陽光が先行したことで、電力会社の送電線の容量が太陽光ですでにいっぱいになっている。

新たに水力発電で電線を利用しようとすると、容量アップのための工事負担金を請求されることがあり、結果的に小水力発電のコストを押し上げるというケースが多くなっている。

 

 

初期投資費用の高さ、準備期間の長さ

取水口などからの導水管の敷設工事などで初期投資コストが高く、設置前の流量調査にも数年必要ということで、実際に稼働するまでにかなり根気が必要であることも原因の一つとなっている。

設備の初期投資は1kW当たりで太陽光が30万円以下、水力は約200万円前後になり、水力は太陽光に比べ約8~10倍高いともいわれている。

特に準備期間が長いというのは、高齢者の多い地方には致命的な問題だ。

 

 

国や県のサポート不足

やはりこちらも太陽光が先行したことでサポート体制も水力発電にはそれほど手厚くないという現状が足かせとなっているのだろう。

 

 

これから高まる自治体水力発電の可能性

上記のようなハードルがあったことは確かだが、水利利用については改善されているし、電線の容量オーバーという問題も蓄電池の発達によって解消される見込みがある。

 

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が今年開始から10年を迎え、初めて満期を迎える契約者が出てくる。

すると今までは実質48円/kWhという高値で電気を売ってたのが、満期後は11円/kWh程度まで売値が下がるため、電力会社に売るよりも自宅でそのまま電気を使用した方が得をするということが起こってくる。

それに伴って、自宅で使う=自宅で蓄電して使うという家庭が増えてくるので、家庭用蓄電池の進化・安価化が急激に進む見込みがあるのだ。

 

これは水力発電にとっては追い風で、電線容量に関するコストがいらなくなる→水力発電のハードルが下がる→家庭用蓄電池とともに水力発電設備の進化・安価化が進むという流れにつながる可能性もある。

 

 

若者が少しずつ戻りつつある自治体なら、準備期間の長さという問題もクリアしやすいだろう。

あとは団結して突き進む仲間(地域内外に)を見つけられるかという問題だけだ。

それがひとつの社会の流れになれば、国のサポートも充実してくる可能性は十分ある。

 

ネット社会に生きる若者なら仲間づくりは得意、となれば、水力発電による地域活性化というのも案外近い未来、多くの地域で実現されるのかもしれない。

 



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