メガバンクより入社する価値のある金融機関「広島市信用組合」とは


先日、ある会社にお邪魔していたときのこと。

 

「山本理事長がいらっしゃいました!!」

少しざわつく事務所。

 

「なんかすごい人なんですか?」

と聞くと、

「シシンヨーの理事長ですよ。」

…ご存知の、みたいに言われてもわからない。頭では一発変換不能な名前の会社のお偉いさんらしい。

 

数秒後現れたのが、ピシッという音が聞こえてきそうなほどにスーツを着こなすスタイルのいいご老人。

名刺をいただく。広島市信用組合(愛称:シシンヨー)の山本明弘理事長だった。

 

30分ほど代表と話をして(理事長は驚くほど声が大きい)、帰っていく。何をしに来たのかわからない。

 

後で話を聞くと、この広島市信用組合という金融機関は、とんでもない組織だった。

 

なんと、このご時世に投資信託などの金融商品は扱わず、預金と融資に特化した業務を行っているらしい。

 

そんな金融機関が存在していたなんて…!

 

理事長はこうおっしゃっている。

当組合は、昭和27年5月の創業以来「地元のお金は地元で活かす」をモットーに、「お客さま第一主義」「本業一本」「融資一筋」で業務に取り組んできました。その結果、お客さまとゆるぎない信頼関係で結ばれ、地域とともに成長してまいりました。

現在、金融機関の業務は多岐にわたっていますが、当組合の特徴は、投資信託などの金融商品は扱わず、本来業務である預金と融資に特化したビジネスモデルにあります。 地元経済を支える中小零細企業の方々をはじめとしたお客さまの資金ニーズに積極的に応え、地域の活性化に寄与することが当組合の使命であり、融資で地元広島の発展・繁栄に貢献したいと考えています。

ごあいさつ|シシンヨーについて|広島市信用組合

 

この理事長、アポなしで企業を訪れて、そこの普段通りの働きぶりや雰囲気を見て回っているらしい。

このスタイルで注目され、日本経済新聞にも取り上げられている。

「財務状況なんかは資料を見りゃ分かる。その経営者は一体どんな人間なんだ」。10月中旬の午前7時前、広島市信用組合の本店で今年74歳を迎える山本明弘理事長が持ち前の大きな声で、ある支店長にこう質問した。各支店が上げてきた案件に対して融資の可否を判断する会議がこの日も開かれていた。

「シシンヨー」の愛称で親しまれる同信組は広島県内の中小・零細企業から「最後のとりで」とも呼ばれる。そのゆえんは融資判断のスピードと柔軟性にある。新規融資は3日以内に可否を決める方針を掲げており「赤字、債務超過でも大いに結構。とにかく経営者の本気度が大事」と山本理事長は話す。

融資即断「最後のとりで」 広島市信用組合 :日本経済新聞(2019/11/20)

 

この低金利時代、融資部門は儲からないから、どの金融機関も金融商品を必死で販売して利益を上げようとしている。客をだまして商品を売りつけるところもあるぐらいだ。(もはやそちらのほうが多いかも…。)

 

そんな中、広島市信用組合は”本業”できちんと成果を上げている。

出典:数字で分かるシシンヨー|シシンヨーについて|広島市信用組合

 

業績だけでなく、給与・休暇・昇進などの面でも他企業に比べて好待遇。理事長は、待遇が良いから業績が伸びるんだとおっしゃっていた。

 

 

本当に金融人として力を付けたいのなら、こういう企業に入社するべきだと思う。

数字を見る力だけでなく、人を見る力も同時に鍛えられることだろう。

日本のトップと言われるメガバンクでは、中途半端な金融商品の販売スキルを叩き込まれるだけで、人としての成長度合いが日本トップレベルとは到底言えない。

 

「お客さま第一主義」が今の世の中でも通用することを体現してくれる企業、広島市信用組合。

今後の活躍にも期待したい。