CM分離発注方式(オープンシステム)で家を建てるという選択肢
日本人は、家の価格にかなり無頓着です。
「みんながそうしているから」という理由でハウスメーカーや工務店で家を購入する人がほとんどですが、この方法ではハウスメーカー等に支払うマージンがかなりの額になるため、結果的に本来の価値よりもかなり高額の費用がかかる可能性が高いです。
ハウスメーカーがかけている莫大な宣伝広告費は、間接的に施主が背負わされているというわけですね。
日本では出来上がった家を”商品として買う”のが一般的ですが、そもそもそこからおかしいのです。家は専門業者に依頼して”建てるもの”。さらに言えば、建ててもらった後は自分たちで完成させていく、価値を高めていくべきものです。
「家に自分で手を加える」という文化が全くと言っていいほどなく、家に対するリテラシーが育たないため、いつまでたってもバカ高い(その割にほとんど資産価値のない)家を買わされ続けるというのが日本の住宅事情なのです。
海外の住宅事情を例に出すと、アメリカではリフォーム前提で手に入れやすい最低限の家が供給されており、リフォームやメンテナンスもDIYで行うことが当たり前です。
中古住宅市場が活発で、一生住み続ける家とこだわらずに家族の成長に合わせて頻繁に住み替えを行う文化があるため、より高額で売りに出せるように自分たちで外壁塗装をしたり、玄関扉や窓、湯舟まで(ホームセンターで売っている!)自分の好みのものを選んで取り替えるのだそうです。
本題です。
では日本では家を”建てられない”ということか。
そういうわけではありません。日本でも家を建てるときの仕組みとして「CM分離発注方式」というものが存在します。
CM分離発注方式(オープンシステム)とは
建築士が施主の代理人(コンストラクション・マネージャー:CM)として、分離発注・設計・施工管理を施主の代行としておこなう方法。
メリットとしては、それぞれの専門業者に直接発注するので中間マージンが不要になり、工事費を安くできる(工務店、ハウスメーカーに頼むより2割ほど安くなる。つまり数百万円…!)、価格の透明性が高くなる安心感を得られるといったことがあげられます。
出典:http://www.ken21.com/separate/index.html
この方式を選べば、ハウスメーカーのような”宣伝業者”に数百万円払わずとも家を建てることができます。
分離発注方式のデメリットとしては、ある程度の勉強と建築のために費やす時間が必要になることです。良い建築家と、良い専門業者を選ぶ力、そして自分が主導となって建築を進める力を身に着ける必要があるからです。(基本的には建築家が進めてくれますが)
しかし何千万円もかけて建てる家、その努力を惜しむべきではないと思うのです。むしろ費用は安くなるわ、知識は身につくわで一石二鳥と考えても良いぐらいです。
ひとつ注意しないといけないのは、アメリカのように中古住宅をきちんと評価する市場は日本にはないということ。
単純に築何年、駅から何分といった項目でしか見られないので、やはり日本で家を建てるという行為には資産形成という表面はなく、単なる浪費と言わざるをえません。
ですが、せっかく建てるなら少しでも賢くなれる選択をするのが自分のため、ひいては日本の住宅市場のためになるのではないでしょうか。
しつこいようですが、家を建てる予定はありません。
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