歴史を学ぶのは「現代の問題を解決するため」であるべき


私は基本的に子どもに歴史を勉強させることは無駄だと考えているのですが、

最近は少し考えが変わって、「昔の人はどうやって解決したのか」という事例研究と捉えれば歴史も役に立つ場面はあるかも、と思っています。

 

例えば「日本で快適に暮らすにはどういう家が良いか」という問題について考えるときに、昔の人はどういう家を建てていたのか、そこにはどんな工夫や問題があったのかを考える必要が出てきます。

そこで歴史が役に立つわけです。

冬は着込んで火鉢などで寒さをしのぐ前提で、夏いかに涼しく過ごすかを重視していたんだな。
特に湿気との付き合い方が重要で、土壁にすることで調湿機能をもたせていたんだな。
劣化しても自分たちで修繕できる構造になっているんだな。

みたいなことがわかってきて、現代の技術と組み合わせてより良い家づくりをするためのヒントを得ることができます。

(最近の家はそんな昔の暮らしを無視した"断熱風船"の家を建てており、歴史を活かしているとは思えませんがまぁその話はここでは置いておきます。)

 

問題なのは、今学校で教えている歴史はこの事例研究に全く当てはまらないということです。

やれ何年に何戦争が起きたとか、何代目将軍は何光だとかばっかりで、それによって現代のどんな問題が解決できるのかが全然イメージできない。これではただのクイズ研究会です。

「国のトップとして素晴らしい評価を得ていた人はどんな政治をしていたのか」という現代の問題を解決するために、昔の立派な将軍について学ぶのならわかるのですが、学校で教えるときにはそういう学びのスタート設定はされていません。

ただただ時系列で出来事を追っていくだけ。つまらなくて当然です。

 

学校で教える歴史がちゃんと事例研究として機能するものになればもっとみんな賢くなれると思うのですが。

 

少し話は変わりますが、歴史を学んでも事例が無く解決が難しい問題もあるでしょう。そういうときはその場で良いと思われる方法をなんとかひねり出して正解だったかどうかは後になってからしかわからない、というのが最善なのですが、最も重要なのはきちんと記録することでしょう。

後にそれが「事例」として役に立つように。

今のパンデミックがまさにそんな状況でしょうか。
でも日本はあまりきちんとデータを取っていないという声も聞かれます。そうなると歴史にすらならないただの災害ですね。

 

我々は本当に賢くなっているのでしょうか。

学校の勉強だけしているようでは賢くなれなさそうですね。


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