食に必要なお金は収入の20%もない
「なぜ我々は働くのか」という問いについて考えるとき、まず思い浮かぶのは「食っていくため」という答え。
でもこれはよく考えるとおかしい。
統計によると、単身世帯の1カ月の平均食費は約4万円らしい。平均的な(中央値としての)収入が月30万円とすると、食費はせいぜい13%ほどしかない。食べるためには住まいも必要なので住居費を入れたとしても収入の3割にも満たない金額でしょう。あとの7割は極端な話、あってもなくても良いお金だと言えます。
それなのに多くの人は、お金がないと言います。その必要でない7割を必要だと思い込んでいるからです。
車、保険、服、外食、旅行、通信、貯金などなど。これらのほとんどは売りたい側が消費者に必要だと思い込ませることに成功しているというだけで、本当に必要なものなんてごくわずかです。
つまり私たちは労働時間の7割ほどを必要のない物のために費やしているということになります。(やりたくない仕事をしている前提)
公共交通があるのに自家用車(それも必要以上に大きな)を使う
社会保障制度があるのに民間保険サービスに加入する
だれも見ていないのに新しい服をしょっちゅう買う
大して忙しくないのに外で飲む、食べる
地元のこともろくに知らないのに旅行する
くだらない動画を見るために大容量回線を使う
使い道がないのに貯金する
こういうことの積み重ねで、自分の貴重な時間が失われていっていることに気が付かなくてはいけません。
最近は若い人の間で特に、これに気が付いて消費(浪費)を最小限にしてなるべく自由に暮らす人が増えてきているようです。おじさん世代にはウケが良くないようですが。
確かに数字で見ると消費はもちろん収入も極端に下がるので、それらで豊かさをはかっている人たちが見ると「何事だ!」と思うことでしょう。でも実際は結構みんな楽しそうに暮らしている。それが今の日本のような気がします。
早く本当の豊かさは何かを国全体で真剣に考えて、不要な7割のせいで疲弊する人が少しでも減っていく世の中になるといいですね。
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