投資とは、老いた自分がちょっと贅沢するために若い自分を浪費すること
これだけ給料が上がらない状況が続くと、さすがの日本でもかなり投資への意識が高まっているようです。
NISAやiDeCoなどの国の施策に加え、ネット銀行、ネット証券のおかげで投資を始めるハードルが下がったことや、仮想通貨の誕生もかなり影響していますね。
そういう背景もあって最近は「毎月少しずつでも投資しなくちゃ!」「投資しないとずっと貧乏!」という雰囲気すらあります。
しかし私は思うのです。
投資したところで何も変わらないと。
仕事を辞めて専業トレーダーとしてやっていくというのなら話は別ですが、普通に働いて収入を得ている人にとっては投資で得られる利益なんてたかが知れているのです。
例えば30歳年収500万円の人が、貯金した500万円を投資に回して20年後に倍の1000万円に増やしたとして、生活が何か変わりますか?
50歳になって1000万円の現金が預金口座に戻ってきたところで今さら働く時間を減らせるわけではないし、子どもに家を買ってやれるわけでもない。
老いた自分へのちょっとしたご褒美を買って残りはそのまま預金口座に眠ったままになるのが関の山でしょう。
年3.6%という好成績で運用できたとしてもその程度なのです。20年も待ったのに、です。割に合いませんね。
500万円増えたならまだいいですが、たったの100万円しか増えなかったら?もしくは減って戻ってきたら?
それが投資です。
そもそも投資にまとまったお金を回せて、かつそれを20年放置できるような経済状況の人なら、そんなお金がなくても幸せに生きていけるはずです。
なんなら30代のうちに500万円のままで好きなものを追求するために使っていたほうが幸せだったかもしれません。
もし年収が200万円ほどしかない人が20年後に500万円増えていたら多少生活がかわるかもしれませんが(どうせ仕事は辞められないですが)、そういう人には500万円の利益になるほどの投資ができる原資はないのでやはりあまり意味を成しません。
要するに、お金を増やすことを目的にした投資は本当の投資とは言えないのです。遊び。マネーゲーム。金融機関の養分。
NISAやiDeCoなんて100%それです。投資先をお任せするなんて論外でしょう。
現実はもっとひどくて、今すでにほとんど余裕がないのに積み立て投資のために生活費を削っているような人もいるのです。老いた自分がちょっと贅沢するために若い自分を浪費するなんてどうかしています。
本当の投資とは、おもしろい、未来があると確信できる人や企業、物やサービスにお金を投じることです。
人に教えてもらわないと投資先を決められないような人は投資なんてできません。勉強しましょう。
世の中には5年後にほぼ確実に倍以上になる、みたいな投資案件も存在はしますが、その情報が自分の耳に入ることは絶対に無いですし、奇跡的にめぐりあえたとしても人生を変えるほどの利益になるような原資はきっと持ち合わせていないでしょう。
否定ばかりしてもおもしろくないので、最後に万人が金額に関わらず投資先として選んでも良い対象を挙げておきましょう。
それは、教育です。つまり子どもです。
未来にどんなものが流行るのかは誰にもわかりませんが、未来の社会を築くのは今の子どもであることは明確です。その子どもたちの成長にとってより良い環境を与えるために資金を投じることを投資と言わず何と言うでしょうか。
その子ども(への教育)をないがしろにしつつあるのが今の日本社会なのですが…。
今の日本は投資対象から外すべき、といったところでしょうか。
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