あえて日本に投資してみるという選択

2023.9.20


こちらのつづき。

スタグフレーション下での資産防衛を考える

 

円は長期的に見てどうも資産としては弱いのではないかということで、何か他に価値を維持し続けてくれる物がないか考えております。

 

この考察はどうやらいろんな国で起こっているようで、大量に刷られた貨幣が国民の消費には回らずに、投資マネーとなってあっちへ行ったりこっちへ行ったりしているみたいです。

 

日本ではそれが顕著で、

 

現金が余っている

今後も円安傾向

株や金、不動産などに投資

それらももうかなり高値水準

 

で、行き場を無くしたお金がビットコインなどの仮想通貨に流れているというのが現状です。

では、今後はビットコインこそが価値を維持し続けてくれる資産として存在し続けるのでしょうか?

 

確かにビットコインは「デジタルゴールド」と言われる通り、発行量が決まっていてそれ以上には増えないので、金のような希少性があります。

しかしそれはみんなが「価値がある」と信じている間だけであって、それがいつまで続くかは誰にもわかりません。ビットコインが将来の法定通貨となると信じている人はこれからもずっと買い支えていくでしょうし、あくまでも自国通貨ベースの資産額を維持するための逃げ場として認識している人は何か他の逃げ場が見つかればあっさり手放すことでしょう。

今のところ後者が大半なようですが。

 

私自身も後者です。一定期間資産防衛(増大)の役割を果たすことはできるとは思いますが、やはり今の価値は共同幻想でしかないというのは揺るがない事実だと思います。

もっとも、今我々が使っている貨幣もまさに共同幻想で成り立っていることには違いないのですが、法律や組織によってある程度価値を維持する力が働いているという点では全く違うものとも言えます。

ビットコインにはなんの後ろ盾もありませんから、急に倍になることもあるし半分になることもあるしもちろんゼロになることもあるのです。

 

 

前置きが長くなりましたが、問題の本質は「みんな買いたいものがない」ということなんだろうと思います。

株や金やビットコインなどの投資先は、買いたいものを見つけるまでの避難場所でしかないのです。

 

つまり、そのまま買いたいものが見つからなければそれらの資産は増えても減っても実質なんの影響もないわけです。

でも多くの人は「買いたいものがあるはずだ」と信じてとりあえず資産を増やすことだけ考える。

 

私にはそれがどうしてもバカらしく感じてしまうのです。いつか現れる買いたいもののために投機するよりも、今本当に手に入れるべきものは何なのかを考えて"買えるうちに"買ってしまうほうが良いでしょう。

 

その後残ったお金はどうするかという問題ですが、円を持っているだけで「リスクが高い」と言われるご時世ですから、どうせ他のどんな物に変えても投機的になってしまうのです。それならまだ円のままの方がマシだろうと。日本に住んでいる時点ですでに日本に賭けているのだし。

投資というのは自分がその対象について詳しくて信用できる先にするべきだと何度か書きましたが、私にとってそれは30年以上住み続けた日本なのではないかと最近思うようになりました。

 

「日本(円)はもうダメだ」という風潮が広まってきている今こそ日本に投資するのが"儲ける"には最も賢い選択だと考えることもできますしね。

回り回ってそんな結論に至りました。世間の逆を行くのが私の悦びなのです…。


経済