未来のエンタメは無編集のまま人生をさらけ出すこと


エンタメ成熟期とも言える現代で改めて思うのは、他人のありのままの人生を知ることよりおもしろいものはないのではないかということ。

YouTube(r)の広がりもその表れなのではないかと。台本があって編集だらけのテレビ番組には飽き飽きしていて、他人が台本無しで人生をかけて何かに挑戦する姿を見ることの方がおもしろいと気づき始めている。

ここで大事なのは、台本無し、凝った編集なしでも良いということは誰でもお金をかけずに最強のエンタメを作ることができるということ。そしてまさに今、莫大な費用をかけて作ったテレビ番組よりもカメラ1台で撮影したような映像が人気を集めることが増えてきている。

 

さらに言うと、その人がもともと持っている人気度に関係なく「どれだけリアルか、どれだけ独特か」でおもしろさが決まるので、全くの素人でも戦える。別に人生をかけた何かでなくたって他人の人生って割とおもしろい。

なぜ今の仕事を選んだのかとか、毎日どんな買い物をしているのかとか、休日何をして過ごしているのかとか、一見どうでも良いと思われがちなことでも覗いてみると「え、自分とこんなに違うのか!」とか「あー、自分と同じ人もいるんだ!」とかいう発見があるはず。普通では他人と話さないような細かいことのほうがおもしろかったりする。

 

つまり何が言いたいかと言うと、自分の人生は普通だと思っていてもおそらく他人から見ればかなり独特でおもしろいはずなので、何らかの形で発信したほうが楽しいのではないかということ。発信することで世界が広がることは今や常識だし、発信することで自分の人生を客観的に見ることもできるというメリットもある。

 

ただし、多くの人がやっているSNSはそれに当てはまらない。どうせ編集された情報なので、リアリティがない。

視聴者のことをいかに”考えていないか”が重要。

 

おそらく未来のエンタメは、私生活をいかにさらけ出すかというのはひとつのテーマになってくるのではないだろうか。生活のすべてをさらけ出すこと”だけ”で収入を得る人が出てくることも十分あり得ると思う。すべてでなくても、友だちとの会話をそのまま録音して発信することでもいい。(家でお菓子を食べながら話すような内容の。仲の良い友だちとの長電話とか。)

誰にでもできるならすぐ飽和状態になるじゃん。と思うかもしれませんが、さらけ出すってなかなか勇気がいるもんですよ。あと、視聴者を意識しないってめちゃくちゃ難しいので。

 

我々はこれからどんどん暇な時間が増えていくのは目に見えているので、その傾向はほぼ間違いないと思っています。