「脱資本主義宣言」を読んで地方移住と農業を始めよう

2018.7.13


なんとインパクトのあるタイトルでしょう。

 

著者は東京大学社会学科卒の鶴見済(つるみわたる)さん。

同じくタイトルのインパクト大の「完全自殺マニュアル」が有名ですね。

 

この本はタイトルの通り、

そろそろ資本主義をやめようぜ!

ものを買っては捨て、作っては壊し、右のカネを左に動かしながら生きるようなやり方はおかしいよ!

いかに愚かな暮らしをしているか気付けよ!

 

という考えを広めるためのものです。

 

そもそも、資本主義とは?

これについてはこちらの記事を参考に。

 

GDPが豊かさを示すという大きな間違い

資本主義について理解したところで、GDPの話をしましょう。

 

日本では、GDP(国内総生産)の大きさで豊かさを測っています。

一応GDPについても説明しておくと、

「ある年に国内で生産されたモノやサービスの付加価値(儲け)の合計」

のことです。

 

GDPが増えるということはつまりどういうことか。

とーてっもわかりやすく説明されていたのでそのまま転載。

GDPは簡単に言えば、我々がカネを使うほど大きくなる。

ありもので弁当を作っていくよりも、500円のランチを食べたほうが、500円のランチよりも1000円のランチのほうが、GDPは大きくなる。

 

引越しをする時に友人に手伝ってもらっても、仮にその友人に謝礼金を払ったとしても、

そのやり取りは市場を介していないので、GDPには加算されない。

ただしこれを引越し業者に頼めば、GDPは増える。

 

子どもを自分で育てずに、保育園に預ければGDPは増える。

皆が水道水を飲むのをやめてボトル入りの水を買うようにすれば、GDPは増える。

公園で遊ぶのをやめて、遊園地に行けばGDPは増える。

自分で服を繕わず、捨てて新しく買えば、

友人とのCDの貸し借りをやめて、一人一人が買えば、

自転車はやめてタクシーに乗れば……、

 

いずれも、GDPが増えるのだ。

 

どうですか?

これでもGDPで豊かさを測ることは間違っていないと言えますか?

 

家族や友人、近所の人たちと協力して生きていくことは、今の日本にとってはマイナスなんです。

 

つまり!

一家だんらんが豊かさに含まれないということ!

…笑えない。
 
 

カネは道具だ!道具のために人生を捧げるの?

重複しますが、皆にいっぱいお金を使ってもらえば国は豊かになるので、社会は「いかにお金を使わせるか」で物事を決めていきます。

 

何をするにも、お金を払ってしまったほうが、その場は楽で、便利で、早い。

頭の代わりにお金を使えば全部済んじゃう社会。

 

つまり、きちんと頭を使わないと、私たちはお金無しでは生きていけない。

 

楽にするためじゃなくて、生きるために道具を集める暮らし。

 

…変ですよね!
 
 

地方移住と農業で「GDP主義」から脱する

田舎にはまさに、上の例で示した「勘定されない豊かさ」が溢れています。

資本主義社会に“使わされる”お金がいらないので、必要以上に働く必要もない。

その分、本当にやりたいことに時間をかけることができるってことです。
 
 

農業こそが脱資本主義のための最高の活動

もしもっと大きな金融危機が起きて世界中の銀行が潰れたら、人間界だけは大惨事になるが、他の生き物は一体何が変わったのか気づきもせずに生きているだろう。

ヒトだけがカネを使い、カネに依存しきっている。

 

この先はカネや経済により依存しない、他の生き物に近い生き方を目指すべきなのだ。

 
農業で野菜を育てて、採って食べる。分ける。

この行為に、金融危機なんて何の影響も及ぼしません。
こういう生物としての強さを手に入れるべく、私は農業に手を出そうとしているのです。

その状態こそが、実現可能なヒトが脱資本主義を達成するための第一歩になるでしょう。
 
 

完全な脱資本主義はしないけどね

散々資本主義の批判をしておいてなんですが、完全にお金を使わない暮らしを目指しているわけではありませんよ。

 

地方移住して農業を始めても、

本は読みたいしテレビも見たい。

ネットショッピングだってしたい。

今こうして発信できるのも楽・便利・早いがここまで発達してくれた結果ですからね。

 

良い部分もたくさんあったということを認識した上で、良し悪しを選択できる頭を持って暮らしていこうという試みです。

どこまでやれるか、見ものですね!
 


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