元祖サドべリースクールの「サドベリー・バレー・スクール」はどんなところ?
子どもたちを信頼し、カリキュラムもテストもなし、学校の運営すらも子どもたちに任せるという独自の教育方針・サドベリーモデルによる学校、
サドベリー・バレー・スクールは1968年にアメリカ・マサチューセッツ州で創設されました。
校舎は元々、富豪が別荘に使っていた建物で、とても立派でおしゃれですね。
サドベリー・バレー・スクールでの子どもたちの過ごし方
投稿したら出席簿にチェックして、掲示板でその日の行事や連絡事項を確かめます。
基本的にはそれだけ。
行事があるからといって、それに参加するかどうかは自由です。
一日中本を読もうが、ゲームをしようが、おしゃべりしようがぼーっとしようが自由。
それがたとえ5歳の子どもだとしても。
自然と学びあう子どもたち
このように、お兄さんお姉さんが、年下の子どもと接することでお互いが必要なことを学びあい、成長していくのがこの学校の特徴です。
年齢によるクラス分けがないからこその文化と言えますね。
授業も行われます
授業が成立するのは、子どもたちがやりたいと思った時だけ。
子どもたちがスタッフに依頼してはじめて授業が行われます。
子どもたちが望めば、大工さんが先生となって家の建て方の授業が行われることも。
多くの子どもたちは、授業ではなく自分で教師用の教科書などを使って勉強するようですが、
ポイントはどちらも「自ら望んで勉強している」ということです。
周りに行かされて、仕方なく勉強するのと比べれば、その習得スピードが高いことは容易に想像できるでしょう。
問題が起きたらどうするの?
基本的にすべてを子どもたちに任せているわけですから、当然何かしらの問題は起こります。
そんなときは、子どもたちによって構成された司法委員会というものがあるので、そこでその問題について話し合い、解決策を考えます。
司法委員会を通して訴えを起こし、裁判することもできます。
必要であれば全校集会が開かれ、みんなの意見で解決方法が決められます。
このように、ただただ自由で好き勝手にできるというわけでは決してなく、自分たちの決めたルールの中で過ごすという規律はきちんと守られているのです。
特徴的な行事
カリキュラムやテストなどはありませんが、サドベリー・バレー・スクールには普通の学校にはない変わった行事がいくつかあります。
先生への投票
毎年、子どもたちによって先生への投票が行われ、その先生を今後もスタッフとして雇い続けるかを決めます。
普通の学校には絶対あり得ない行事。
先生にとってはドキドキハラハラですね。
これがあるので、先生もしっかりと学校に貢献できるような仕事を探して動かなければいけないのです。
卒業発表
卒業したいときには、自ら名乗りを上げて卒業論文を発表し、
自分が卒業するにふさわしい人物であると在校生に認めてもらわなくてはいけません。
この学校で何を学び、卒業して何をしたいのか発表し、質疑応答をクリアしてやっと卒業することができるのです。
サドベリー・バレー・スクールで唯一の試験とも言えますね。
ここにしかない教育のかたち
サドベリー・バレー・スクールに子どもを通わせるために、わざわざ遠くの州から移住してくる家族もいます。
ここにはその価値があり、今の社会にはその必要性すらあると感じます。
このサドベリーモデルが、本質が守られたままでいろんなところに広がっていけば、
もっと人間らしい、生き生きとした社会に変わっていくのではないでしょうか。
サドベリー・バレー・スクールはもうすぐ50周年。
今後も多くの生徒を迎え、卒業生を送り出すことを期待しています。
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