「農地」を使って最も多くの人を喜ばせる方法

2017.10.15


農地を最大限活かすこと。

それはすなわち、最も多くの人を喜ばせられる使い方をすること。

これを考えて農地を使っている人ってどれだけいるんだろう。

 

農地というのは一般的に、販売するための作物を収穫するところで、

それで喜ばせられるのはその作物を食べる人たち。

おそらくほとんどの人がここで終わっていますよね。

 
さぁ、ここからどこまで喜ぶ人を増やせるか考えてみましょう。

 
 

収穫までの行程を「体験」として最大限活かす!

土づくり

種まき

草取り

追肥

土寄せ

虫・獣害防止

挙げだすときりがない。

その行程それぞれを「体験」として、農業未経験者に向けて提供する。

すると、今までは「労働」として扱われていたことが、価値あるサービスに変わります。

まぁこれはよくある話。

 
 

教育の場として

文部科学省は、

「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」

「太陽が昇るところや沈むところを見たこと」

「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」

といった自然体験の度合いと、

「友達が悪いことをしていたらやめさせる」

「バスや電車で席をゆずる」

といった道徳観・正義感の度合いを集計したところ、

自然体験が豊富な子どもほど、道徳観・正義感が身についている傾向が見受けられたと発表しています。

 

また、ある研究によると

自然体験活動を多く行っている子どもほど運動能力や体力が高く、自然への理解が深い

そして、望ましい生活習慣が身に付いている子どもである等と評価している保護者が多い傾向にある

という結果が出ています。

 
このように、太陽、水、土、植物、動物と密接に関わる農業は、教育の場としても利用する価値があると言えるでしょう。

 
 

健康づくりの場として

ある団体では、うつ病や統合失調症などの精神疾患を持つ人を受け入れ、農業体験を通して症状を緩和させようという取り組みを行っています。

実際にうつ病が回復したという例が多数報告されており、医療の現場からの注目も集まってきているとのこと。

精神疾患の人だけでなく、引きこもりや登校拒否の子どもたちのための活動の場としても利用が期待されているそうです。
 
 

インターネットを利用して

ここまでは、実際に農地に“立って”利用する方法でしたが、

インターネットを利用すれば、その農地に来れない人にも、作物を食べてもらう以外の方法で喜んでもらうことができます。

例えば、オーナー制度。

オーナー制度とは、農地の一部のオーナーを募集して、そこで出来た作物を送るというサービス。

中には、そこで何を育てるかや、作物を売って利益を受けとることも選択できるようにしているところもあるそうです。

 
農地の本来の持ち主にとってはオーナーからの会費が安定した収入になり、

オーナーにとっては、

採れた作物、または売上げ、

その農地での農業体験や、地域でのもてなし、

その他特産品のプレゼントなどが特典としてついてくるというのがメリットになるようです。

 
 

これらを「全て」組み合わせると…?

さて本題。
農地を使って最も多くの人を喜ばせる方法は何か。

上記のことを全てやってみてはどうだろう。

 

基礎となるのはオーナー制度。

ただ、作物を作るだけでなく、「教育」や「健康づくり」の場として利用する農地のオーナーを募集する。

オーナーに、農地の使い方を決めてもらうというのもいいかもしれない。

 
たとえば、

「子どもたちに自然体験活動を!子どもたちの価値観を育む農地オーナー」

「ストレスを抱える人たちに安らぎを!心身改善プログラムオーナー」

もっと遊び心を加えてイベントチックに

「君は百姓になれるか!?長期農業体験プログラムオーナー」

とか。

 

こうすれば、喜んでくれる人が作物を食べる人だけだったのが

農地オーナー

プログラム参加者、またその家族

地域が活性化すれば、その地域住民

にまで広げることができる。

 
これ、おもしろそうじゃない?

せっかく作るならいろんな人を巻き込んで、農地をフル活用しようじゃないか。