「農家には休みがない」なんて嘘だ


農業法人に就職して約1年。

たった1年だし、お給料をもらって農業をしている身なので決して偉そうなことは言えませんが、

農家の人たちを身近に見てもやはりこう思うのです。

「農家には休みがない」なんて嘘だ。
 
 

それ、休みみたいなもんでしょ

農家は、確かに一般的なサラリーマンのような「完全な休み」はないかもしれない。

でもそれは言い換えれば、

「完全ではない休み」はあるということ。
 

考えてもみてください。

野菜や米を育てるのに、365日、1日たりとも目が離せないなんてことあると思いますか?

何品種育てる気だ。
 

ハウス栽培で季節に関係なく収穫できるようにしているところもあるでしょう。

しかし、いくらハウスでも常に計画通りに育つわけではないので、毎日収穫なんてできるわけがないのです。

収穫時期など、特に忙しい時期がある中で、自分のペースで作業できる日がかなりの日数あるはず。

「ちょっと倉庫の整理でもするかー」

とか

「情報収集でもして参考にしよう」

とか。

それは、ほかのサラリーマンに言わせれば「休みみたいなもんじゃん。」なのです。
 

会社勤めのほとんどの人は、引き出しの中を整理する時間もおしいような日が毎日続いています。

暗くなっても帰れない。

その代わり、「完全な休み」があるのです。

このサラリーマンに半日自分のペースで身の回りの整理をしていい時間を与えたらこう言うでしょう。

「今日は休みみたいなもんだったな」

と。
 
 

未来の農家をむやみに脅かすな

それなのに農業界の人たちは、まるで毎日が平日かのように「休みがない」と言いふらしている。

そんな仕事あるわけないじゃないか。

冗談抜きで農家全員死んでしまうよ。
 

でもそれを知らない一般人は、

「農家は毎日が平日」

「とんでもないブラック業界」

と認識します。

すると当然、農業からどんどん人が遠ざかる。

そして農業界は「後継者がいない」と嘆く。

自業自得としか言いようがない。

 

別に、「農家は実は楽をしてる!」とかそういうとを言いたいのではありません。

せっかく農業に興味を持った人をむやみに脅かすな、と言いたいのです。

 
 

農家は「主婦」に似ている

農家と同じく、「休みがない」と言いふらされている「主婦」

確かに、「完全な休み」はない。

しかし、子どもの手のかかる時期など、特に忙しい時期がある中で、

昼間に映画やランチに行ったり、外食や出前で済ませたりと

「休みみたいなもん」の1日がちゃんとあるのです。

これこそ、毎日が自分の時間が全くない生活だとしたら主婦全員死んでしまうよ。

ただ、これを言うとおそらく主婦は激怒します。

農家にとってもこの話題はかなりデリケートなものなのかもしれません。
 
 

周りに認めてほしいだけ

農家や主婦には、ボーナスや出世といった

「頑張ったね!」

という明確なご褒美がない。

だからせめて、

「私たちはしんどいことを頑張ってやっているんだ!」

というアピールを(できればサラリーマンよりも)して、周りにその頑張りを認めてほしいのでしょう。
 
 
でも、休みがないことはそんなに偉くない。

これからは特に、「忙しい」=「要領が悪い」「時代遅れ」「ダサい」という風潮が高まって、認められたいという望みとは逆の方向へ向かってしまう原因になります。
 

これからは、このデリケートな話題にもきちんと向き合って、

楽な部分もあることを認めてイメージの回復を目指さなくてはいけないのではないでしょうか。
 
 

それでも「休みがない!しんどい!」と言いふらしたい人たちへ

それはおそらくあなたの能力不足。

どうすれば「休みみたいな日」をつくれるか、頭を使って考えましょう。

今の時代、しんどいを楽にする方法はいくらでもあります。
 

じゃないと死んじゃいますよ!