地域通貨はこうして失敗する。忘れてはいけない条件とは。
地域通貨。
その名の通り、特定の地域だけで利用することのできる通貨のこと。
地域活性化の手段としてよく話題に上がりますが、これが成功した事例はあまり耳にしません。
ブロックチェーン技術の開発に伴って、改めてこの地域通貨の活用に踏み出そうとする地域も出てきているようなので、「地域通貨ってどうなのよ!」というところについて書いてみます。
地域通貨の目的とは?
そもそも、地域通貨って何のためにつくるのでしょうか。
地方では一般的に、都会へ人が出ていくということが起こっています。
人が出ていくということは、お金も一緒にその地域から出ていくということです。
つまり、地域にお金が落とされない。
経済活動が行われない。
地域内のお店が立ち行かなくなる。ますます人が出ていく…。
それを食い止めようというのが最大の目的です。
地域でしか使えないわけですから、当然よそへお金が出ていくことはありません。
地域内でお金が回って、経済も元気になるだろう、と目論んでいるわけです。
ほとんどが失敗に終わる地域通貨
しかし、地域通貨は冒頭でも述べた通り、成功した事例はあまりないようです。
そりゃそうですよね。
どこでも使える「円」と一部でしか使えない「地域通貨」
みんな「円」のほうが欲しいに決まっています。
「地域のためにみんなで地域通貨を使おう!」
なんていう良心に訴えるようなやり方だけでは成功するわけがありません。
すぐにみんな使わなくなって、忘れ去られていくのがオチです。
地域通貨が成功する条件とは
では、地域通貨がみんなに使われ続けるには何が必要なのでしょうか?
地域通貨でしか買えない「魅力的な」サービス
地域通貨を継続して使ってもらうには、地域通貨でしか買うことのできない「めっちゃほしい!」というモノ・サービスが存在しなくてはいけません。
とんでもなく美味しい食材とか
円換算するとすごく安いものとか。
「あれほしい!地域通貨を手に入れなくちゃ!」という具合に。
本来お金がもらえないことで地域通貨がもらえる
通常、お金(円)を手に入れるには、それなりの仕事・商売をしないといけません。
それに対して地域通貨は、手に入れるときのハードルをもっと下げる必要があります。
同じハードルなのであれば、みんな便利な「円」の方が欲しいに決まってますからね。
地域通貨の場合は、「お手伝い」レベルの行為に対して支払うことによって、円との差別化をしっかりする必要があります。
ゴミ拾いをした、庭の草刈りをした、話し相手をした、とか。
誰でもできる、「ありがとう。」の言葉で済まされるような簡単なこと。
そんなに頑張らなくてももらえるお金。
こうなれば、「地元の仕事では給与が低いから…」という問題も、
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というふうに解消されるかもしれません。
究極は「地域通貨による納税」
地域通貨の成功には、地域の企業はもちろん、自治体の協力がかかせません。
そういった協力を得られるなら、使い道として一番理想的なのは「納税」ではないでしょうか?
税金なんかで現金を減らしたくない、という人がほとんどなので、地域通貨で納税できるとなれば喜んで集め、使用するでしょう。
税金は一生付きまとうものですから、忘れ去られていくこともありません。
地域通貨は、貯金できない仕組みに
地域でお金を回すのが目的の地域通貨ですから、ただ単に「使ってね」だけでは、円と同じようにみんなに貯められてしまう可能性もあります。
なのでそうならないように、長い間使わないでおくと通貨の価値が下がっていく、という仕組みをとるのもいいかもしれません。
そうすれば、人の手に渡った地域通貨はどんどん地域の中をめぐることになるでしょう。
今まで財布や通帳で眠っていたお金が動き出すようになる。
「置いておくなんてもったいないから出かけて使おう!」と人が出てきて賑わう。
こうなれば素敵ですよね。
国の政策を待たずに、自分の地域を元気にする。ハッピーになる。
お金はハッピーに直結する大きな要因ですから、大がかりではありますが、地域通貨という手段も有効と言えるでしょう。
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