「借金をして農業をする」という選択肢はアリか


農業一本で生計をたてるとなると、それなりの規模と、年中収穫できるようにするための設備が必要になるので、ほとんどの人がお金を借りてビニールハウスを建てることになる。

 

「田舎で農業をしたい」と言ってやってきた私たちにも、当然その選択肢が与えられている。

農業に携わって約2年たった今、借金をして農業をするという道についてどう考えているか、という話。

 

結論から言うと、「今は選ぶ気はない」

 

農業の魅力は、自分で仕事量をコントロールできることだ。

植えなければ収穫できないので収入は減るが自由な時間は増える、逆に植えれば植えるほど忙しくなるが収入は増える。

義務がないので、やりたければやる、やりたくいならやらないが自分の都合で選べるのだ。

 

しかし、そこに「借金」がひっついてくるとどうなるか。

お金を返す義務が発生して、植えずに収入を減らして時間をつくる、ということができなくなってしまう。

それはもう(私の個人的な定義による)農業ではなくて、雇用されて働かされているのとなんら変わりのない“やらなくてはいけない仕事”だ。

さらに、サラリーマンのように転職できないので雇用されるよりも不自由と言えるかもしれない。

 

いろんなことがどんどん変化していくこの時代に、「やめられない仕事に就く」というのはかなりリスキーなことだと思うのだ。

これはおもしろい!やってみたい!と思えるものに飛びつく余裕がなくなってしまう。

 

なので、私がこれを選択するのは、他にもうやりたいことがなくなって「あとの人生、これに捧げてもいい!」と思えるようになったときだろう。

 

 

折衷案として、チームでお金を借りて分担して面倒を見るというのはありかもしれない。

収入も分担されるが、作業や責任も分担できるので休みも取りやすいし、かつ長期で安定して出荷するというメリットが享受できる。

 

そういうスタイルで運営しているチームってあるんだろうか。