【農家の嘆き】なぜ野菜がこんな安い値段でしか買ってもらえないのか


今年は暖冬の影響もあり、葉物野菜を中心に野菜の値段がかなり下がっています。

そうなると農家が口を揃えて言うのが

「なんで野菜がこんなに安いんだ」

「農家の苦労を評価した値段にするべきだ」

という言葉。

これを聞くたびに私は首をかしげたくなる。

農家の人はなぜそんなこともわからないんだろう。

 

なぜ野菜が安いのか。

答えは簡単。

市場にたくさんあって、簡単に手に入るからだ。

農家がどれだけ苦労したか、なんてどーでもいい話だ。

 

農家がみんなで頑張ってその野菜をつくればつくるほど、市場で潤沢になって値段は下がる。

それなのに、「野菜が安すぎてこれだけしか利益が出ない。もっと頑張って、効率よくたくさんつくらなくては。」

さらに自分たちの首をしめる方向へと進んでしまう。

みんなで“協力して”野菜の値段を下げているわけだ。

 

野菜の値段を下げたくないならば、すでに市場に十分あるものを頑張ってつくるのではなくて、足りていなさそう、もしくは全くなかったものを開拓してつくることに注力しなくてはいけない。

 

 

「なぜそんなこともわからないのか」と言ったけども、たぶん、みんなわかっていないわけではないと思う。

わかっているけど、積み重ねてきたノウハウもあるし、今までつくってきたものを捨てて他のものをつくることに踏み切れないのだろう。

種はどうする?

育て方は?

必要な機械は?

ちゃんとできる?

できたとしても売り先は?

挑戦できない理由はあげだしたらキリがない。

でも挑戦しないと、野菜が安くて薄利でも大規模・IT・超効率化で乗り切ろうとする企業に簡単にのまれてしまう。

そういう企業に張り合い続けるか、柔軟に別路線を見つけるかだ。

 

その狭間で苦しむ農家が今後ますます増えていくことだろう。

この二極化。ちょっとわくわくしてしまう。