農業で勝つには「時代に逆行する」方法しかない


農業で勝つ、というテーマは日本においてかなり重要な項目です。

まず何をもって勝つというのかが問題ですが、ここでは「事業を継続して行えること」としましょう。

安定した利益が出ない

人が集まらない(事業として魅力がない)

体力、精神力が持たない

などの理由で続けることが難しくなる事業は負け、ということです。

 

結論から言うと、ただ単に田畑で作物を育てて売るという農業は全て負けだと考えています。

それで勝てるなら、国を上げて「農業の競争力強化を…」などと議論することに至らないです。

 

今農業で勝っている、そしてこれからもしばらくは勝っていけそうな事例を見ると、

 

6次産業

体験事業

ロボット・IT化

 

で利益を出しているところしかないです。

 

大規模化でなんとか頑張ろうとしているところもあるようですが、日本のような起伏の激しい土地でそれを狙うのは無理があります。

売り上げは上がるかもしれませんが、それに利益と人材、管理が追い付かないでしょう。

ロボット・IT化すればそこはクリアできるのかもしれませんが、もともと資金力のある企業でないと踏み切るのは難しいですし、
機械の能力の差で競争力が決まってしまうので、より資金力を持っている企業に簡単に負けてしまうという現象がおきます。

 

となると、狙うは6次産業体験事業です。

 

6次産業なら、ブランド化して加工品をヒットさせるという道。

言うは易く行うは難し。ヒットさせるはもちろん、激しい競走に勝ち続けるのには相当な体力が必要です。

 

では体験事業はどうか。

農業界のロボット・IT化が進めば進むほど、こちらは面白くなってくるでしょう。

むしろ効率が悪いぐらいのほうが体験としては価値があります。

作物が直接お客さんに渡るので品質基準なんてありませんし、言葉は悪いですが「それなりの農業で、効率化の流れに逆行して利益を出す」というやり方にはまだいくらか実現可能性がありそうです。

 

この「流れに逆行する」というのは個人的に有効な方法だと思っていて、

例えば農業界全体はまだ化学肥料と農薬でとにかく効率化という方向に進んでいますが、

そこに逆行して「低農薬」「省耕起」「有機栽培」「無農薬」「不耕起」といった農法を極めて確立することができれば、作物の出来が「ロボット・IT化作物」に大きく劣っていたとしても反近代農業派の消費者には確実に売れます。

ただ、売れたとしてもその消費者の母数が少ないので、それほど売上げが立つかは怪しい。

ですが、農業の未来を見据えると、農薬による弊害などの近代化農業の悪影響が見え始めてきた今、「低農薬」「省耕起」「有機栽培」「無農薬」「不耕起」への関心が世界で強くなりつつあります。

 

そうなったときに、今時代に逆行してその世界に踏み込んでおけば、先駆者として教育面で事業展開という道も出てくるかもしれません。

とにかく、他と同じことをしているようではどれだけ頑張っても先は見えているということです。

ロボット・IT化で突き進む気がないのなら、この「時代に逆行する」という方向に振り切る方が勝つ道は開けるのではないでしょうか。