金融機関による営業は本来禁止されるべき


金融機関=営業部隊、と言っても過言ではない状況になっている時代ですが、これってかなり異常だと思うんです。

例えるならば、病院が「診察しませんか」って電話してくるぐらいの異常さ。

 

ほっとけと。

 

どうしてもしんどかったり、自分では対処できない事態になったりしたときに頼るのが病院。

なんでもないときに「どこか悪いところがあるかもしれなから」と診察してたらきりがないじゃないですか。

なのに、「悪くなる前に治療しておかないと不安でしょー!」とガンガン治療を勧めてきたら嫌ですよね。

 

でも金融機関はそれを当然のように行っていて、消費者ももうおかしいと思わなくなってしまっています。

「潜在的ニーズの発掘」などとそれらしいことを言って、元気に暮らしている人の体に悪いところがないか必死で探しているのが銀行、というわけです。

 

ただ念のため言っておくと、銀行では顧客に対する積極的な営業は禁止されています。

具体的には、個別商品の勧誘のために顧客に折衝してはいけないということになっています。

 

が、お察しの通り表面上そうなっているだけです。

個別商品を勧誘して販売に至ったとしても、書類上は「お客さんからこういうニーズを聞き出したので、それを満たす商品を選んだらこれになった」ということになるように記録するのが営業の重要な事務仕事なんです。

 

もうめちゃくちゃですね。

でもそうしなきゃ生き残れない局面にあるということなんでしょう。

かんぽ生命が良い(悪い?)例です。

私に言わせれば、そこまでしないと生き残れない業界なんてなくなってもなんの問題もない。むしろなくなったほうが世の中にとってはプラスです。

余計な薬を飲んだり数値を心配したりする必要がなくなるわけですから。

 

いつになったらこの異常さが世間に広まるのでしょうか。

お金の勉強をしない日本ではまだまだ先のことになりそうです。