日本で住むなら住宅は「使い切る」が正解


日本の住宅のレベルは低すぎるという話は散々しましたが、日本で住むのならそれを許容しながら何かしらの正解を導き出して自分の住宅を選ばなくてはいけないので、少し考えてみました。

 

住宅とひと口に言っても、戸建て、マンション、アパート、そして新築、築浅、築古、さらに立地などを考えると選択肢はさまざまです。

それぞれに長所と短所があるので当然この中のこれが正解、とはなかなか言えません。

 

が、共通して言えることがひとつあります。

それは、住宅もひとつの「物」であると考えるならば「最後まで使い切る」べきだということです。

 

では日本の家を見てみるとどうでしょうか。

 

「使い切る」というよりは「使い捨てる」といった状況です。

とりあえず住んで、自分が使い終わったあとのことは考えない。

建物はそのまま空き家として残り続け、次第に朽ち果てて、大きすぎるゴミとなります。

 

これは何度も指摘していることですが、日本は住宅を"商品"として扱っているため、家にできるだけ長く人が住めるようにしようという仕組みになっていません。

 

つまり、使い捨てる前提で家が建てられているわけです。

そのせいで、空き家やマンションの老朽化が社会問題となっているのです。

 

では、住宅を使い切るとはつまりどうすることを言うのでしょうか。

簡単に言えば、「誰かが使い捨てた家」に住めなくなる寸前まで住むということです。

 

それでも最終的に大きなゴミとなることには違いないのですが、どうせ違わないのなら住めなくなるまで住んだ後の方がいいでしょう。

 

もちろん理想を言えば、初めから100年もつ造りの家を建てて、2世代3世代と住み継いで最後はちきんと解体する、というところまでセットになっているべきなのですが、おそらくそれが実現するのはまだまだずっと先、もしくは実現しないと思います。

 

次の世代が住み継ぐことはできない家だと割り切って、とりあえず最後まで(住めなくなるまで)住む。使い切る。そうすれば少しは使い捨てられて朽ち果てる家の数は減るし、何より人がいらなくなったものを使うわけですから、住宅にかかる費用が減ります。

気に入らないところがあればリフォームして、住めなくなればまた他の家を探せばいいのです。「使い捨てられた家」なんていくらでもありますから。

 

 

日本の住宅業界はもうそういうところまで来ているのではないでしょうか。