自作ロケットストーブによる暖房の限界
もう初夏と言ってもいいぐらいの陽気なのに、ストーブのお話。
我が家では3年間、自作のロケットストーブで冬を(生きてはいるという意味で)なんとか乗り越えてきたわけですが、ここに来て薪を燃料としたストーブを自作することと、ロケットストーブを暖房器具として使用することへの限界を感じ始めています。
現に、去年の厳冬はロケットストーブで乗り越えることは早々に諦めてしまいました。
限界①燃焼効率の限界
炎によるストーブの命は、疑いようもなく「きちんと燃えること」なのですが、この"きちんと"というのが簡単ではないのです。
単に燃やすだけでよいなら簡単です。しかしそれではただの焼却炉で、薪を浪費するばっかりで全然暖房としての機能を十分に果たしてくれません。
空気の入る量、流れ、速度、出ていく量など、ストーブ内で薪をきちんと燃やす、つまり薪から最大限熱を引き出すための条件を考え出すとDIYによるストーブではやはり技術的に限界があります。
わが家のロケットストーブは確かに何でも燃やせてそれなりに放熱もしてくれていましたが、効率が良いかと言うと確実に良くはないです。
まず気密性を保つための扉が無い時点で空気の量のコントロールが不可能ですから。ロケットストーブであることは間違いないのですが、暖房器具とは言い難いでしょう。
精巧な設計技術と溶接技術があればこの問題はクリアできるのでしょうが、それはもはやDIYの域を超えていますからね。
限界②ロケットストーブの仕組み上の限界
そもそもロケットストーブは調理器具として発明されたもので、少ない薪で強い火力を得ることが目的です。
断熱された狭い空間で、超高温で燃焼させることで強い気流を生み出すという仕組みなので、基本的に大量の薪を入れることはできません。
少ない薪で強い火力、という部分は暖房器具としても必要なことではあるのですが、暖房を目的とするには“少なすぎる"薪なのだと思います。
暖房器具として市販されているロケットストーブもありますが、操作性や温度の持続性という点でどこか無理をしている、もしくは実質ロケットストーブではなく普通の薪ストーブ、という代物の可能性が高いです。
煙突を横引きして放熱させるというのは正にその"無理"のひとつで、スムーズで安全な燃焼のためにはやはり煙突は横向きにするべきではないのです。
基本遊び道具、ついでに暖房、というのであれば自作ロケットストーブは最高です。わが家でも、単純に物を燃やすということを楽しみながら、芋を焼いたりピザを焼いたりうなぎを焼いたりして(要するに何でも焼ける)、ストーブからの輻射熱を享受していました。
しかし、暖房"兼"遊び道具とするならば、やはりプロの手によって設計・製造・施行された薪ストーブを導入するべきでしょう。おそらくその燃焼効率の差は歴然です。
今年の冬は厳冬とならないことを祈りつつ、何か案を練らないといけないですね…!
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