住宅ローンの正しい使い方


今回は、諸悪の根源「住宅ローン」をなんとか肯定してみようという記事です。

 

そもそも住宅ローンは、国をあげて利用を促している商品なので、何かとお得なようにつくられています。審査がゆるかったり税金が返ってきたり単純に金利が安かったり。

ということは、使い方さえ間違わなければ意外と選択肢としてアリにもなり得るのではないかと。

 

この考察で重要となる切り口は、「何を選んでも住居費は一生払い続ける」ということです。

新築ならローン、賃貸なら家賃、中古ならリフォーム代や修繕費といった具合に、金額の大小はあれど人は家にお金を払い続けるものなのです。(親が建てた立派な家を住み継ぐ人は除いて)

 

であれば、「どうしたって出ていくお金なんだし、住宅ローンが特別ハイリスクとは言えないよね」と考えることができます。

 

それなのになぜ住宅ローン否定派はハイリスクだと主張するのか。それは「簡単に借り過ぎてしまえるから」です。

これが住宅ローンの最も悪どい部分だと思います。

 

「住居費としてどうしたって出ていくお金」の額を遥かに超えた金額を簡単に借りられてしまうのです。

わかりやすいのが、ボーナス払い。自分の勤め先が今後数十年後安定して利益をあげ続ける前提で支払い額を決めているのですから、それはさすがに誰が見たってハイリスクでしょう。

 

借入金額を検討するにあたって基準にするべきなのは収入の額ではなく、賃貸で住んだとしても払うであろう金額です。

家賃がボーナス月だけ10万プラスになる物件など無いでしょう。

また、変動金利も当然NGです。目先の安さにつられて余計なリスクを負うのは得策ではありません。

 

ここさえしっかり守っておけば、住宅ローンは使える商品と言えるでしょう。

 

勘の良い人はお気づきかもしれませんが、これを守ると借りられる金額はかなり少ないです。もともと土地を所有しているか、いわゆるローコスト住宅、もしくは中古物件でないと厳しい金額でしょう。

つまり、住宅ローンを使って低リスクでそこそこ(中の下?)の家を手に入れることは可能だが、次世代に残すほどの家は手に入れられない、というのが結論です。

 

 

…肯定、出来たのでしょうか。

 

別の視点として、子どものいる家族が満足に住める物件は賃貸では家賃が高額すぎるという問題もあります。

マンションだと物音で気を遣うので一戸建ての賃貸を探す→家賃10万越え(そもそも件数が少ない)→それなら住宅ローン組んで新築を建てた方がいい、みたいな。建てざるを得なかったんだ!という消去法的住宅ローンですね。これは確かにわからなくもないです。もはやそのパターンがほとんどなのかも。

 

 

やはり最終的には日本の住宅事情は深刻だなぁという感想に落ち着いてしまうのでした。


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