「大人の給食」が食文化の理想形


前にもちらっと書いたことがありますが、各世帯(特に核家族)がそれぞれの家にキッチンを備えてそれぞれで材料を買ってきて料理をして食べるというのは明らかに高コストな食事の仕方なんですよね。

一斉に作って一斉に食べる方がいいに決まっている。金銭的にもエネルギー的にも精神的にも。

 

そう考えると、自炊するよりも大量の料理を作って提供している飲食店で食事をしたほうが低コストなはず。…なのですが、当然そうはなりません。むしろ高くつく。

一般的な飲食店は、いつ何人来るか、何を食べるかもわからない状況で準備しているからです。それに、飲食店はそもそも顧客の健康よりも利益を優先しないといけない存在なので、日々の食事をそこに頼るのは健康上にも問題があると言えます。

 

つまり、いつ何人来て何を食べるかが決まっている、利益追求しなくてよい飲食店があれば、それこそが理想の食提供のかたちだと言えるでしょう。

 

 

そんなものがあるでしょうか。

 

あるんです。

 

 

給食です。

 

あれはまさにいつ何人何を食べるかが決まっている食事ですよね。そして利益よりも健康を重視しています。

給食のようなものが大人の世界にもあれば、より多くの人がロスを出すことなく健康的に食事をすることができるでしょう。

 

社食はそれに近いですね。なので企業という組織は食事文化にとってもなかなか合理的な存在と言えます。

しかし厳密に言えば社食も多くは外注なので、そのコストを会社が負担してくれているだけで低コストかと言うとそうではないかもしれません。

 

やはり一番良いのは家族。人数が多ければ多いほど良い。血の繋がりに関わらない、広義の家族も含めて。

家族同士で人件費は取らないですからね。家族の健康、幸せのために決まった時間に決まった量のご飯をつくる。

 

これこそが理想的な、ロスの少ない食文化ではないでしょうか。

 

そういう文化はまだ日本には無いですね。そんな風に食事をする国ってあるのでしょうか。食よりも仕事を重視する今の社会ではなかなか難しそうです。

これもベーシックインカムが実現したりなんかすると、一気に現実味が帯びてくるでしょうね。