子どもにペラペラの歴史教育は無意味


過去記事で散々学校で歴史を学ぶことの無意味さを書いてきたのですが、

やはり根本に「その歴史は真実か」という問題があるのだと思います。

 

教科書に載っている歴史は、「事実」ではあるかもしれないですが、「真実」ではないことが多い。

何年にどんな戦いがあってどんな条約が結ばれたか、などということは事実であっても、それが誰の思惑でどういう経緯で実際にどんな影響があったかという部分は明確にはわかりません。裏で行われていたり、誰も記録に残さなかったりするからです。

記録が残っていたとしても、それは"表向きの"記録であり、真実ではない可能性だって十分あるでしょう。(今の日本政府を見ていればそれがよくわかりますね。)

 

しかし学校で教えられるのは必ず記録のある「事実」だけです。

例えば東日本大震災。東北で大きな地震が起きて津波が発生し、原発事故を伴う甚大な被害をもたらしたという「事実」は伝えられても、国や東京電力のずさんな対応によって起きた被害という「真実」が教科書で伝えられることはないでしょう。それと同じです。

 

基本的に、教科書の歴史はきれいごとで片付けてしまいがち。「金儲けのために国民を巻き込んで戦争を始めた」なんて絶対に書かないわけです。でも実際はお金や地位を得たり守ったりするために人が動いている出来事だらけだったりする。

そういうことを伝えないからリアリティがないし、つまらないのです。大人になってからお金や権力などが絡んだ歴史のリアルに触れてハマる。そして「教科書の歴史は嘘だらけ」なんていう本がたくさん売れる。ここでやっと歴史を学ぶ意味が出てくるのではないでしょうか。

 

単なる“記録歴史"を、社会のことをまだ全然知らない中学生に教え込むというのはさすがに酷でしょう。貴重な時間を歴史嫌いになるために浪費するだけです。

中学生に「未来を知るには歴史を知る必要がある」と説くのも無理があります。未来予想なんてまだ必要ないですし、そもそも記録歴史では未来なんて予測できないからです。

 

 

相手がどんな行動をとるのか予測するには相手の性格を深く知る必要があるように、社会がどんな動きをするのか予測するにはリアルな歴史から社会の性格を知る必要があるのです。記録歴史から性格を知ることはできません。

 

しかし最近は大人でも「著名なあの人がこう未来予測している!」とすぐに飛びついて行動する人が多いようです。役に立たない歴史を教え込まれたせいかもしれません。私だってその被害者です。記録歴史教育の罪は重い。

 

記録歴史教育によって"聞き分けの良い子"を育てるのが目的ならいいんですけどね…。


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