需要より先に供給がつくられているということを忘れないで
自然な考え方をすれば、「こうだったらいいのに」という需要がまずあって、それに対してサービスが供給されて今の便利で豊かな社会が築かれています。
しかし実際はそうとは限らなくて、売りたいものを先に考えてから、それをどうやって売るかという戦略を作って実行しているパターンも多くあるようです。
典型的なのはブルーライトカットのメガネ。「目が悪くない人にもメガネを売る」ということを決めてから目の良い人の不安を煽る方法を考え、ブルーライトという脅威を作り出してそこに向けてメガネを提供しているわけです。(結局定着しているのかどうかは知りませんが。)
国民の間で一気に広まったものは大抵そういうものだと思っています。今まで気付いていなかった(気付かずに済んでいた)不安をわざわざ掘り起こし、ビジネスにする。もっと悪どいと、そもそも不安に感じる必要もないようなささいなことを大きく見せてビジネスにする。
消費者側にとっては、もともとなかった不安が生まれて再びなくなっただけなのでプラスマイナスゼロなのに、お金はしっかり支払っている。
これではお金を使っても使っても豊かになれないのは当然でしょう。
最近はこういう供給が本当に多いです。インターネットで簡単に情報が受け取れるようになってからますますその傾向が強くなりました。
その悪い仕組みから抜け出す方法として有効なのは、昔からずっと必要とされてきたものを信用することです。
誇大広告の無かった時代から多くの人に利用されていたもの。場合によってはもっと昔にさかのぼってもいいかもしれません。そういうものに限ってあまりお金を必要としません。
そういうことばかり考えていると、必然的にひと昔前の暮らしを良しとする考えに至るのです。
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