教育の無償化によって「タダだけど低品質」な教育に人が集まる


教育の無償化を求める声が多いようですが、私はどちらかと言うと無償化されることによって「無料の教育」にしか目が向けられない状況になることを危惧しています。

 

「無料だしとりあえず公立に行かせよう」という親ばかりになって、その結果公立学校は適当にやっていても人が集まるので創意工夫しなくなることに繋がると思うのです。

 

そもそも無償化と言っていますがあれは間違いです。だって運営費は税金で賄われているのですから。つまり、「高い税金払ってるし公立学校行かなきゃ損だよね。(私立に行かせる余裕もない)」という事態に陥る家庭がたくさん出てくるということなのです。

 

私立学校は経済的余裕のある家の子どもだけが通えるところ、という状況自体はそんなに悪いことではないのですが、無償化(という名の授業料の強制徴収)された学校に消去法に近いかたちで子どもたちが送り込まれていくことは教育の構造としてどうかと思います。

 

 

同じ税金を使うにしても完全無償化するのではなくて、複数の学校に支援してそれぞれに特色を持たせてある程度競争させるような仕組みの方が、生徒にとっても先生にとってもより良い環境となりうるはずです。

無償化が進み、子どもの数も減っていくこのご時世では私立学校も集客が厳しいのでなかなか良い学校も生まれません。

 

とにかく今の公立学校は改善させるインセンティブが働かなさすぎるのです。結局これは仕組み上の問題です。

その割に親は質を求めたりするので、先生が苦しんで教育そのものが崩れていく。

 

今の日本の教育は、きちんと考えず任せっきりにするとかなり悲惨です。無償化など、親にとっての楽しか考えられていない。そこに膨大な時間と精神力を費やす子どもの身にもなってほしいとつくづく思います。


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