沖縄の大工「沖縄の木造住宅は絶対やめとけ」


ほとんどがRC造だった沖縄の家が、最近は木造ばかりになっています。

 

なぜか。

 

安いからでしょう。

RC造の家は値段が高過ぎて庶民に売るのが難しいため、不動産屋はついに禁断の「沖縄で木造住宅」に手を出したのです。

 

ではなぜ沖縄で木造住宅はダメなのか。

沖縄の環境に耐えられないからです。湿気、シロアリ、台風。

 

戦前は確かに沖縄でもすべて木造住宅でした。しかしそれらは沖縄の気候に適した沖縄の木を使用し、家自体の背を低くし、軒を長く伸ばし、周りに石垣を設けたからこそ成り立っていた文化。(これならシロアリにやられながらも50年以上もつ。)

最近建ち始めている家は本州と大きく変わらない造りの家。沖縄の木ではないし二階建てだし軒も申し訳程度。もちろん石垣もなし。

業者の言い分としては「防湿・防虫技術が向上しているから大丈夫」とのこと。

それが希望的観測なのは明らか。職場の先輩大工いわく、

「そんなの数年でダメになるに決まってるじゃん。」

だそうです。

 

仕事で実際に壁を剥がして中を見ている人が言うので間違いない指摘だと思います。木で完全防御の家は無理です。

「家を建てる(買う)なら絶対コンクリートにしたほうがいいよ。」という大工のアドバイスは従って損はしないと思います。

 

そもそもなぜ沖縄の家が木造からRC造に置き換わったのかというと、アメリカの文化が入ってきたからです。「おぉ、これの方が強いじゃん。」と沖縄の人たちが受け入れたわけです。当時はコンクリートが安かったという理由もあるみたいです。

そのうちコンクリートの値段がどんどん上がり、木造が再び見直されてきたというわけ。しかし長年コンクリートに頼ってきたため沖縄内に使える木(森)は育っていないし、職人もいないので、本州と同じような家を建てるしかなくなっているのが現在。

 

今バンバン建てられている木造住宅が10年後どんな姿になっているのか見物ですね。ちなみに沖縄では住宅ローンが50年まで組めるそうです。くわばらくわばら。

 

日本ってつくづくまともな住宅文化が育たない国ですね。もう個人が家を勝手に建てるとかやめたらいいと思うんですけど。