自分はなんで田舎を離れたのかを考える


私の実家は田舎です。最寄り駅には改札が無いし無人。単線で2両編成の電車が30分に一本しか来ません。家からスーパーまで仮に徒歩で行くなら1時間かかります。夜は人が住んでいるとは思えないぐらい真っ暗です。
 
 

結婚とともに大阪へ

結婚して妻と大阪に引っ越しました。大都会です。電車の時刻表なんて見なくていいし、コンビニやスーパーは周りに迷うほどあります。夜になっても星を消してしまうほど明るいです。

都会に引っ越して2年経った今、また田舎へ引っ越そうとしています。それなら最初から地元を大事にして住んでいればよかったんじゃないか、という風にも思います。田舎を出ていった私自身が「若者は田舎に住むべきだ!」と主張しようとしているのですから。

こういう経緯になった理由をしっかり考えることで、なぜ田舎から若者が出ていってしまうのか、どうすれば呼び戻すことができるのかという問題を解決するヒントになるのではないでしょうか。
 
 

私が田舎を出ていった理由

私は先述のとおり結婚とともに田舎を出ていきました。理由は今考えるといろいろあったと思います。

親に勧められたから

一番大きいのはこれですね。「こんな田舎にいつまでもいるもんじゃない!」と常日頃から言われていました。親としては、「小さい世界に留まってないで早く都会に出て世の中を見てきなさい」という気持ちだったんだと思います。

仕事がなかったから

いい大学に行かせてもらったのでやっぱりその期待に応えたかったのです。仕事を選ばなければもちろん田舎にだって仕事はたくさんあります。しかし、名のある会社の見栄えのいい仕事は必然的に都会に集まっているので、私も例のごとく銀行といういわゆる大企業に就職したわけです。

仕事がない、というよりは(周りに格好のつく)仕事がないというほうが正しいですね。

田舎に残るのはかっこ悪いと思っていたから

社会人になってもずっと田舎の地元を離れないというのは野心がないというか、男としてどうなんだ、というような考えを持っていました。田舎でいいなんて老後の話でしょ、と。

若いうちに都会に出てバリバリ働かなくてどうするんだ!という具合です。
 
 

今振り返って思うこと

若いうちに都会に出なくてどうするんだ、という気持ちは今でもあります。やはり、一度は都会がどういうものかを経験するべきです。田舎で生まれ育ち、仕事場までその地域を選んでしまうのはどうかと思います。

なぜ一度は都会を経験するべきなのか

田舎でしか暮らしたことのない人に、田舎の本当の良さがわかるでしょうか。都会のせわしなさや息苦しさ、機械的な環境を味わった人にこそ比較した上での田舎の良さが理解できるのだと思います。

見栄えのいい仕事が必要

いくら田舎が心地よくても、食べていくための仕事は必要です。さらに言えば、これから人間的に成長していきたいと望んでいる若者が自尊心を損なうことなく過ごすための、周りに胸を張って言える仕事が必要なのです。
 
 

田舎で豊かに暮らす憧れの存在を

手っ取り早いのは、誰かが実際に田舎で豊かに暮らすお手本を見せることです。若くて、優秀で、やりたいことをやってイキイキして社会的に十分評価されている人が増えてこればそれに向かって田舎を希望する若者も増えてくるのではないでしょうか。

私もいつか、そんな存在になれればうれしいですね。


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