あなたの草刈り、逆効果かも。草刈りについて徹底的に調べてみた。~「高刈り」のすすめ~
もう夏ですね。
雑草が猛威を振るう季節です。
人間が化石燃料を使って必死に戦う季節です。
…その戦い、逆効果かも知れませんよ?
というお話。
そもそも、草刈りは何のためにやるのか
さて、みなさんは草刈りを何のためにやっていますか?
見た目を良くするため?
虫を寄せつけないため?
補助金のため?
とりあえずここでは「農業で行う草刈り」の場合の話をしましょう。
本来、草刈りの目的は「病害虫などの予防と駆除」にあります。
ただ単に草を刈り取る「除草」は手段であり、目的ではありません。
しかし日本では、雑草管理に対して「伸びてきたら刈ればよい」という安易な考え方が広まってしまっています。
その結果、全国で膨大な量の雑草が機械よって刈り取られているのですが、「刈り取りによる雑草管理」は、コスト的に最も高くつく手法であり、費用対効果に乏しいというのが、欧米先進国の雑草管理では一般的なんだとか。
機械による草刈りのデメリットとは?
機械による除草は、専門的な知識が無くても使えますし、作業性が良く、仕上がりの見た目もきれいなので、
今や草刈り=機械(草刈機)での作業になっていますね。
しかし、先ほど述べた本来の目的である「防除」の効果としては不十分なのです。
デメリット①:雑草は刈れば刈るほど増える
雑草は根元を刈り取られると、増えたり広がったりしようとする性質があります。
つまり、場当たりな「刈り取り」をする草刈りは、年間を通してみるとその量を増やしてしまっている可能性が高いのです。
デメリット②:虫を寄せ付けてしまう
田んぼの畦草を地面のきわまで刈ると、カメムシの大好物であるイネ科の雑草が生えやすい環境になってしまいます。
それはなぜかというと、
葉っぱの広い広葉雑草は、成長点が比較的上の方にあるため、成長点が根元にあるイネ科の雑草に負けて、新しい芽を出せなくなってしまうからです。
その結果、カメムシはイネ科の雑草ばかりが生えているところへ寄ってくる
↓
田んぼの米へどんどん移っていく
ということになるのです。
草刈りは「高刈り」が基本!
高さ10cm~15cmを残して草を刈ることを「高刈り」と言います。
高刈りでの草刈りを繰り返すと、イネ科の雑草は広葉雑草の陰になるため、芽を出しにくくなってしだいに減っていきます。
カメムシが寄り付きにくくなるということです。
メリットだらけの「高刈り」による草刈り
高刈りによる草刈りには、イネ科の成長を抑える以外にもメリットがいくつかあります。
- 草の柔らかいところを刈るので、作業時間、刈刃の消耗が減る
- 石などの障害物に刃を当ててしまう危険が減る
- 刃を土や水に当ててはねてしまうことがない
さらに、10cm~15cm高く刈っていたとしても、一か月後の雑草の背丈は根元で刈ったときと変わらないという実験結果もあるそうです。
要するに、デメリットは「あそこはいつも草が伸びてるねぇ」と、(知識を欠いた)人から思われてしまうことぐらいということです。
グチグチ言いながら、人の目を気にしてひたすら効率の悪い草刈りを続けるか
本来の草刈りの目的をきちんと理解して効率のいい草刈りに切り替えるか
日本の農業がどうなっていくべきなのかという問題にもつながる、重要な要因ではないでしょうか。
→「大鎌」買いました。大鎌での高刈り、かなりおすすめです。
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